「寒さ」に強い人と弱い人の違いとは???

10,242 views

出典元:nanapi

寒風が身にしみる季節になりました。

同じ寒さにさらされても、寒いと感じる人とそうでない人がいます。

どこが違うのでしょうか。

さらに、寒さに強い体を作るにはどうしたらいいのでしょうか。

信州大学教授の能勢博さんに聞きました。
 
 

◇寒さに対する体の調節反応

元々ヒトの寒さに対する反応は、暑さに対するほど優れてはいません。

それでも、周りをみてみると、寒がりの人とそうでない人がいます。

このことから、寒さに対する体の調節反応が確かに存在すること、

そしてそれには個人差があることがわかります。

まず、「寒い」と感じるのは皮膚です。

寒さにさらされると、皮膚の血管が収縮して肌の色が白くなります。

これは皮膚表面の温度を下げて、体熱の放散を抑え、体温の低下を防ごうとする調節反応です。

さらに我慢していると「震え」が起こってきます。

「震え」は筋肉のリズミカルな収縮です。

はじめは口の周囲の筋肉で起こり、歯がガチガチ音を立てます。

それが徐々に全身に拡大して、最後には四肢に及びます。

「震え」によって消費されるエネルギーのすべては熱になります。

生じる熱量は、筋肉量が多いほど大きくなり、最大3kcal/分。

体重70kgの人で、熱の放散がなければ、

1分間に体温を0.05度、1時間で3度上昇させる量です。
 
 

◇寒さ対策に運動に勝るものはない

このような状況に陥った時、ガタガタ震えながら不愉快な思いでじっと我慢するより、

ややきつい運動をして、体を温めようとしますよね。

それは正解です。

私たちはこの「ややきつい運動」に「インターバル速歩」を勧めています。

インターバル速歩とは、軽い会話ができる程度の速歩きで3分間歩き、

3分間ゆっくり歩く、このセットを繰り返す運動法です。

セットを1日5回以上、週4日以上繰り返すことが目標です。

インターバル速歩を行うことで体力が10歳分ほど若返ることが科学的に証明されています。

運動して筋肉が収縮すると、代謝が進んで熱が生み出され、体温は上昇します。

そして「震え」は徐々に抑えられ、いずれ止まります。

さらに、ややきついと感じる運動をした後の1~2時間は、高体温が維持されます。

これは、運動中に消費した筋肉内のエネルギー源(ブドウ糖)を回復し、

また若干ですが損傷した筋線維を修復することによって、代謝が進むからです。

その際、糖質、乳たんぱく質を多く含む牛乳をコップ1杯分飲んだら、

この反応がさらに進みます。そして筋肉量も増加することが分かっています。
 
 

◇寒がりな人とそうでない人の違い

では、同じ寒さにさらされても、寒いと感じる人とそうでない人では何が違うのでしょうか。

その一つは筋肉量の違いです。

筋肉は収縮していない安静時も、細胞内でエネルギーを絶えず消費しています。

筋肉量が多いと、この安静時の代謝量(基礎代謝量)が大きくなるので、

体が温まりやすく寒さに強い体になります。

加えて、前述したように筋肉量が増えると、「震え」で発生する熱量も増えます。

さらに、その筋肉を使って運動をすれば、その強度と継続時間に応じて、多くの熱が生み出されます。

一方、寒さに慣れた人は慣れていない人に比べて、

寒さにさらされてもなかなか「震え」が起こらないようになります。

これは、寒さにさらされると交感神経の活動が活発になって脂肪が燃え、

熱が生み出されるメカニズムが、寒さに幾度となくさらされるうちに発達するためです。

これを、「非震え熱産生」といいます。このように、寒さに強い体になるには、

(1)全身の筋肉量を増加させて基礎代謝量を上昇させること

(2)「非震え熱産生量」を増加させること。

が有効であるといえます。

「寒い、寒い」と暖かい部屋の中で縮こまっていないで、

思い切って外でインターバル速歩をしましょう。

出典元:毎日新聞

  • LINEで送る

人気ランキング

PAGE TOP ↑